2013年03月

あなたのビジネスはどっち?

こんにちは。KLab Venturesの長野です。

近々自分のblogをオープンしようと思ってなかなか準備できていないのでKLab Venturesのblogでも日々の活動の中で気づいた点や考えていることなどを書いていこうと思います。私自身大昔はジャーナリスト志望だったのでこういう文章書くのは大好きだったりします。

今回書こうと思ったコラムはこんなネタです。
あなたのビジネスは「リプレイス型ビジネス」か「イノベーション型ビジネス」か?
ベンチャーキャピタリストとして毎日様々なスタートアップの方々とビジネスアイデアについて話をしているとビジネスのアプローチとして大まかに2つの思考方法があると感じることがあります。「リプレイス型ビジネス」と「イノベーション型ビジネス」です。

「リプレイス型ビジネス」とは、既に市場が存在していて一定ビジネスとして成り立っている領域に対して”スマホ”や”ソーシャル”など新しいツールを用いてそのビジネスの一部を置き換えていくビジネスのことです。

インターネットが誕生してから存在していたマッチングサイトをFacebookログイン前提のサービスにすることにより信頼性を担保し、急拡大したbadoo, zoosk, omiai,pairsなど新しいマッチングアプリ。スマートフォンのアプリと連動してクレジットカード決済手段を提供するSquareCoineyなどもスマホに置き換えたという観点でリプレイス型ビジネスの領域に入るんではないかと思います。

このリプレイス型ビジネスの特徴としては、
・ロジカルにビジネスを設計しやすい
・市場規模が見えやすい、事業計画が立てやすい
・そのため競合が多い

上記の点などが挙げられます。
そのため事業をはじめる上では競合との差別化戦略、フォウンダーのビジネス経験などがVCから資金調達する上でポイントとなることが多いです。

また、リプレイス元となった既存大手プレイヤーが、新規プレイヤーの成功体験を調査し新規領域に参入してくるのか?もしくはイノベーションのジレンマなどにより参入可能性が低いのか?などもリプレイス型ビジネスでは重要項目となりまし、出資検討する上では必ず調査します。

一方、「イノベーション型ビジネス」は市場が既に存在しているわけではなく、まったく新しい市場を0から創出するビジネスのことです。

実名制のソーシャルネットワークという新市場を創出したfacebook、140文字という制限があることによりストリーム型の情報伝播を生み出したtwitter、アバター課金がビジネスになることを証明した初期のモバゲータウンなどがこの「イノベーション型ビジネス」と言えると思います。

イノベーション型ビジネスの難易度

このタイプのビジネスは世の中にサービス提供するまでの難易度が非常に高いと思います。その理由としては以下のことが挙げられます。

〈サービスリリースまで〉
・そもそもそのビジネス自体が成立するかの検証をしなければならない
・その検証結果をVCやステークホルダーに説得しなければならないが、ロジカルに説明しづらい
・参考となるビジネスがないためサービス設計など全てが0から創りあげなければならない(カンニングができない)
・ほとんどの人は理解してくれないので奇人扱いされ精神的に辛い

〈サービスリリース後〉
・新たなユーザー体験を提供することになるがアーリーアダプターな一部のユーザーは別にして一般的なマジョリティは往々にして新しいものには拒否反応を示す
・そのため初期のビジネス拡大に苦労することが多く、ファイナンスの戦略を緻密に立てる必要がある
・苦労して成功した場合に先行者のアドバンテージはもちろんあるが、資金体力のある他社が物量作戦で自社の競合サービスを圧倒してくる可能性がある

上記に挙げたようにイノベーション型ビジネスはサービスリリース前、サービスリリース後の両フェーズにおいても新規であるがゆえの苦労が存在します。この苦労をしている人を過去に何度も見てきました。ただその苦労の末もし自社のサービスが成功し、その市場を自社で寡占することが可能となれば、享受するメリットは計り知れないなどハイリスクハイリターンなビジネスアプローチといえます。

この新市場創出型ビジネスではリプレイスビジネスとは違ってロジカルにビジネスの可能性を説得することが困難なケースが多い。そのためVCや会社の新規事業において説得する上では、本人の熱意や成功した時のビジネススケール、チームの優秀さなどがポイントになることが多いです。

リーンスタートアップでよく言われることですがMVP(Most Valuable Product)をクローズドβテストしてみてユーザー反応をレポートすることで成功のイメージを関係者に共有することも重要なメソッドの1つだと思います。

現在ビジネスアイデアを模索している方へ

これまでに見てきたように「リプレイス型ビジネス」と「イノベーション型ビジネス」ではサービス開発以外にも様々な点において相違点があります。イントレプレナーとして社内の新規事業でビジネスを企画していて上司を説得しなければならない立場の方や、起業してビジネスを展開する上でVCからの資金調達を予定している方は、自分の考えているビジネスがどちらのカテゴリーといえるのか、という視点からも考えてみてもよいかもしれません。

実際にスタートアップの方との議論で出てくる事業プランのほとんどがリプレイス型ビジネスです。これは上記で取り上げた難易度の点が多く関係することが想像されます。

まだまだ検証途中のコラムで恐縮ですがご意見などあればフィードバックお待ちしております。

直接ご連絡はこちらまで!

3/7(木)に『イベントマーケティングカンファレンス』を開催しました♪

KLab Venturesの外丸(トマル)が、当日のイベントの様子をお伝えします!

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昨今のスマホやソーシャルメディアの普及で変わりつつあるイベント業界。
一体、どのようにイベントマーケティングのあり方が変わるのか?
このテーマについて、イベント業界の関係者を集めて色々ディスカッションしてみよう!
ということで本イベントを企画しました。

参加者は、イベンターの方、経営者、学生さんなど約
70名。
大勢の方にお集まりいただきました!

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まずは、投資先のLiveStyles松田さんによるKDDILabo3期最優秀賞記念講演。
tixeeが創るイベントの未来』と題して、語っていただきました。
tixeeのこれまでの経緯、今後の戦略、目指す世界観など、松田さんの熱い思いが伝わるプレゼンテーションでした!!

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続くパネルディカッションでは、プロブロガーのイケダハヤトさんがモデレーターを務め、イベントに携わる5名の方にご登壇頂きました。
イケダハヤトさんが、巧みに話を振り盛り上げてくださいました!

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モデレーターは、左から、
中村伊知哉先生(慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科教授)
・石川篤さん(株式会社ディスクガレージ 常務取締役)
・松田晋之介さん(LiveStyles株式会社 代表取締役)
・佐藤史章さん(トーマツベンチャーサポート株式会社
・両角将太さん(株式会社サムライインキュベート

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大規模~中小規模のイベント主催者まで、異なる立場の登壇者のご意見は、興味深い内容ばかり。
ここでしか聞けないオフレコ話しもあり、会場はとても盛り上がりました!

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 本イベントを通じて、
・デジタル全盛の時代にあって、人と人がリアルに出会うイベントは再評価されており、今後も市場は拡大していく
・チケッティングサービスも単なる集客、入場管理で終わらず、その後のCRM機能や新しいユーザー体験を提供するツールになることが求められる、と強く感じました。
ixeeが次世代チケッティングツールとして一層成長できるよう我々も全力で支援していきます!
その後の交流会にも大勢の方にご参加いただきました。

足を運んでくださった皆様、登壇者の方々、遅くまで本当にありがとうございました!!
このイベントを通じて、新しい発見や出会いがあったなら嬉しいです。

今後も、このような取り組みを随時お知らせします!






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