2013年08月

資金調達と経営者のシェア

こんにちは。KLab Ventures田中です。
今日は資金調達と経営者のシェアについて書きたいと思います。

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5日付の日本経済新聞で、「ごちクル」を展開するスターフェスティバルが10億円の資金調達を行って弁当宅配事業を全国展開するという記事が出ていました。同社は1年前に資金調達を行っていますが、次のフェーズに向けた大規模な資金調達を行うようです。

国内でも事業拡大期において大型の資金調達を行う事例が増えてきていますが、一方で経営者にとって資金調達は自らの持株比率のシェアが下がることになり、そのバランスに悩まれると思います。

そこで、私が経営者だったら観点でどのように資金調達を行ってシェアを維持していくか、まとめてみました。
 

  • 設立時は経営者100%

    設立に至るまでの支援者・設立時に出資してくれる支援者はいらっしゃると思いますが、スタート時点でシェアが下がってしまうと、その先ずっと影響を受けることになるので、まずは経営陣のみで出資します。共同創業の場合は、会社から離れる場合どうするか、事前に取り決めしておくことをお勧めします。

  • VCラウンドの前はあまりシェアを下げずに

    VCラウンドでは数千万円超の規模の資金調達を行うと思うので、相応のシェアの低下が生じます。その前の段階でも増資を行うケースがあると思いますが、なるべく株価にはプレミアムを付けて、シェアを維持していきます。VCラウンド前は低い株価で発行していることが多く、シェアが低下しやすいためです。米国で行われているConvertible Noteのように将来のVCラウンドの価格に対してディスカウントを設定する手法を取るのも良いと思います。

  • 役職員にはストックオプションで

    役職員に株式を引き受けてもらうことは、資金調達及び役職員のコミットメントという意味ではプラスですが、人材の流動性の高いステージですので、ストックオプションを付与し、退職時には失効するといったスキームを検討します。

  • VCラウンドは1年強の必要資金とマイルストーンの設定を

    VCに対して資金調達活動を行う場合、3ヶ月程度かかるのが一般的で、その間、本業に集中できない状況が続きます。資金調達後に本業に専念する期間を確保するために、1年強の事業継続が可能な資金調達を行います。また、資金がなくなる半年前には再度資金調達の準備を始めることになるので、次回の資金調達活動(VCと接触する段階)の時期までの事業のマイルストーンを設定して、事業進捗を明確にできるようにしておきます。 

  • 収益化がみえてきたら、成長加速のための資金調達を

    資金的に余裕があっても、収益モデルが確立し、マーケティングや営業に先行投資した場合のリターンが想定できる場合には、事業の成長を加速化させるための資金調達を検討します。業界内でのシェアを高めることで、競合との差別化を図っていきます。この段階では黒字化が見えており高い企業価値での資金調達が実現できシェアの低下も限定的になります。

  • シェアの目安
    成長加速のための資金調達の前の段階で50%以上は確保し、上場の段階で株主総会の特別決議に反対できる34%を少なくとも確保できるようにしたいところです。


いくらかでも参考になったら嬉しいです。ご意見・お問い合わせは
tanaka-ma@klabventures.jp まで宜しくお願いします。

【ディスカッションレポート】7/30(火)開催!グローバルで通用するユーザー体験のつくり方 ~CocoPPa、SmartNews、tixeeの仕掛け人が語るUI/UX~

はじめまして。
5月よりKLabVenturesでインターンシップをしております石塚です。
主にイベントの企画・運営の業務を担当しています。
今回のブログは、7/30(火)に開催いたしました
「グローバルで通用するユーザー体験のつくり方  
~CocoPPa、SmartNews、tixeeの仕掛け人が語るUI/UX~」
のイベント内で行われたパネルディスカッションのレポートを掲載させていただきます。

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モデレーターはバスキュール株式会社 西村真里子氏が務め、
スマートフォンアプリを想定とした
・Stickness体験をどう作るか?
・新しいデバイスへの対応、
・各アプリのプロモーション施策
についてディスカッションが行われました。


◆Stickness体験をどう作るか

‐‐スマホアプリはアクティブユーザー数も重要だと考えます。繰り返しユーザーに来てもらう「Stickness」体験を提供するためにデザインUI/UXおよび仕掛けで工夫している点を教えて下さい。

手嶋: CocoPPaでいうところのSticknessは、クリエイター向けということにはなるが、アイコンを投稿した瞬間に
世界各地のユーザーからものすごい数の反応が返ってくるという体験が相当する。
一番ダウンロード数が多いアイコンは日本の女子中学生が作ったもので、250万ダウンロードを獲得している。
めちゃめちゃ身近にグローバルを感じることができる楽しい体験がユーザーのSticknessにつながっていると考える。

浜本: SmartNewsにおけるSticknessの重要な部分は「プッシュ通知」。プッシュ機能を埋め込むにあたって参考にしたのは奥村倫弘氏の「ヤフー・トピックスの作り方」という書籍で、日本では朝8時、昼12時、夕方は5時~6時の3回がアクセスのピークになる。プッシュ通知にどのようなニュースを載せるのかもすごく大事で、ユーザーのアクセス動向をもとにユーザーが求めているであろうニュースを掲載すればアクティブ率はより高くなると考えている。

松田: ユーザーにとって日常的なコンテンツを投入し続けることでStickenessを高めていきたい。
tixeeは大規模なライブイベントだけでなく、セミナーやパーティなど日常的なイベントコンテンツにも対応できる。
1年に数回しか行かないようなイベントだけでなく、生活の中で参加頻度の高く、かつ魅力的なコンテンツを充実させることがStickenessにつながると考えています。

■アプリを作って終わりというわけではなく、ユーザーにとって"魅力的なコンテンツ"を絶えず投入し続ける運用面での努力がStickness体験を作る上での基本事項となりそうです。

 
◆新しいデバイスにどう対応するか

‐‐今後スマホ/タブレット以外にGoogle Glassなどの新デバイスへの対応も必要になってくると考えます。スマホ/タブレット(PC)以外のデバイスでの対応を既に準備されていますか?

浜本: 先のことはあまり考えていない。SmartNewsを作る際に、デバイスに合わせて柔軟に対応できる可能性があるWebビュー方式のアプリよりも、たとえiOS/Androidと共倒れすることになっても、より良いユーザー体験を提供できるネイティブ方式のアプリで勝負することに決めた。
その時のユーザーシェアが一番多いデバイスで、一番良い体験を提供することに集中する。

松田: 準備はまだしていない。新デバイスへの対応とは違うが、イベント会場全体を最新のデバイスでオペレーションするという光景は見てみたい。

手嶋: まだ考えていない。新しいデバイスというわけではないが、既存のAndoroidアプリをテレビ用に対応をした経験があったがまったく"別物"であった。新デバイスの対応となると、入力デバイスが異なるので全く別の物を作るということを念頭においたほうがいい。

■みなさん共に当面は今のサービスの改善に集中するといったお考えをお持ちのようですが、
アプリを作る際にネイティブ形式かWebビュー形式かの選択が新デバイスへの対応という意味では分かれ目になりそうです。


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(左から手嶋氏、浜本氏、松田氏)
 
◆各アプリのプロモーション施策

‐‐アプリケーションは気付いてもらいダウンロードしてもらうまでの導線が必要だと思います。
プロモーション施策で「これはヒットした!」という施策があったら教えて下さい。 

松田: アプリをダウンロードしなければ使えないようなサービスにした。サービスの性質上、魅力的なコンテンツさえ揃えられれば、あとはコンテンツホルダーが集客をしてくれる。アプリのプロモーションよりもコンテンツの営業を重視している。

浜本: "アプリストア内SEO"という施策を行った。アプリの名前の中に"ニュース"という単語を入れ、SmartNewsという誰でも覚えることができる名前にした。その結果、「ニュース」で検索するとアプリストア内では上位に表示されるようになり、自然流入も増えた。本アプリは比較的メディアに掲載される回数が多いので、自然流入によるダウンロードの増減と、メディアからの流入による増減が相互に補完し合っている。

手嶋: プロモーションは運。運を掴み逃さないためにどう努力するかだが、サービス内容そのもにクチコミする要素があること、つまりサービスそのものがアドバタイジングになっていることが大事。
"ホーム画面を変えたい"というユーザー自身も気付いていなかった欲求に答えることのできるサービスは世界でCocoPPaしか存在しない
また、CocoPPaはビジュアルサービスなので言葉の壁を越えたコミュニケーションが可能で、ソーシャルメディアとの相性が良かった。

■プロモーション施策を考えるよりも前の段階で、サービスそのものにアドバタイジングの要素を織り交ぜることがヒットするアプリを作るためには重要な要素のようです。


◆UIデザインをどう検証するか?

参加者の方から以下のような質問があがりました。
 
‐‐正解が見えない中で試行錯誤しながら制作を進行してくと思うが、リリース後にUIデザインの良し悪しをどう検証するか?

浜本: リリース後にUIを検証しても手遅れ。アプリストアのレビューは蓄積されていくので完成度の低い状態でアプリをリリースしてユーザーの反応を見ながら改善していくという手法はアプリの場合取るべきではない。リリース前にUI検証を済ませるにはユーザーテストが有効。SmartNewsは、ヤコブニールセン氏のユーザーテストを5人やると80%の問題が表出するという論を参考に、リリースの少し前に10人に対してユーザーテストを行った。その結果コードの3割くらい変わったという経験がある。テストを行うユーザーの選別も重要で、スマホリテラシーが高すぎず、脚色されていないという人物を選別することが大事である。

手嶋: UNITEDは社内に相応のリソースがあるので、それらを活用してレビューをするということはやっている。海外ユーザーが大半占めるサービスなので外国の人向けにもユーザーテストを行う試みをしたい。

松田: tixeeはチケットサービスなのでイベント現場にいったら顔がわかることが特徴。
フィードバックを直接お客さんからいただくことができるので最先端のユーザーテストができていると自負している。


◆参加者へのメッセージ

‐‐最後に参加者への皆様へのメッセージをお願いします。
 
手嶋: アプリをつくることは統一された世界観をつくり出すこと。その世界観をコントロールすることに醍醐味を感じて欲しい。

松田: 圧倒的なかっこよさを追い求めることが大事。LifeStyleをLiveに変えられるように、常に驚きを提供することを意識して欲しい。

浜本: アプリはエンジニアリングとデザインの総合力がものをいう。どちらかに偏りすぎることなくバランスを意識してほしい。
 
それぞれの言葉で激を飛ばしパネルディスカッションを締めくくりました。

 
■ディスカッションの所感
"リーンスタートアップ"に代表されるように小さく生んで大きく育てる開発手法か、アプリストアでのレビューを考慮して徹底的にクオエオティを高めてリリースする開発手法か。
リーンとはいえあまりに質の低いサービスを提供することはディスカッションの中でもヒットの要素の1つとして取り上げられた"サービスそのものにアドバタイジングになっていること"がリスクになりかねません。
かといって過剰にこだわり過ぎてはリリースのタイミングを逸してしまいます。
リリース前にアプリのUI/UXはどこまで追求するべきか、リリースをするか否かの判断基準というのが
1つの論点になると思いました。

足を運んでくださった皆様、登壇者の方々、遅くまで本当にありがとうございました!!
このイベントを通じて、新しい発見や出会いがあれば幸いです。

今後も、このような取り組みを随時お知らせしてまいります。
 

網羅性のマジック

KLab Ventures代表ブログ『鴻鵠之志』より転載)

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起業を目指す方のビジネスプランの中には、ニッチなサービスのアイデアを聞くことが稀にあります。
ニッチメディア系は、カテゴリーに絞ってサービスを作ればよいのでアイデアとして想起しやすいし、ユーザーもある程度想定しやすいため、マーケティングしやすく、初期ユーザーなども獲得しやすい傾向にあります。

しかし、KLab Venturesの考え方として、実際にニッチメディアは立ち上がりのKPIが多少よくても投資検討することは難しいです。
なぜなら情報の網羅性がない情報メディアには価値はないからです。

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例えばあるドメインにおける業界大手の総合ポータルサービスがあるとして、その中のニッチなカテゴリーに特化したメディアを展開する場合、多くのユーザーにとっては、その大手総合ポータルの方にいけば網羅的な情報があるため、わざわざそのニッチなメディアに訪問する意味は乏しいです。

つまり、情報を扱うメディアにおいては情報の網羅性がないサービスは、ユーザーにとって相対的に価値が低いのです。ビジネス経験が浅いと前述したメリットに目がいってしまい、こういったニッチメディアの罠にはまってしまう可能性があります。

この網羅性のマジックを解決する考え方として下記の3点ほどが思い当たります。

  • 他にはない情報を扱っているか?

  →他のメディアにはない希少性のある情報がある、このメディアに訪問する理由がある!

  • ニッチメディアからの次のステージへスケールするプランがあるか?

  →最初にニッチでユーザーを集め、総合ポータルへの移行を戦略的に進めるプランがある!

  • そのニッチメディアだけでも十分にマネタナイズできるビジネスプランがあるか?

  →メディア側で差別化するのはなくビジネスモデルで差別化する!
 

まとめ

ニッチなメディアをビジネスプランとして考えている方は上記の3点を参考にしてください^^

イベントレポート★7/30(火)開催!グローバルで通用するユーザー体験のつくり方 ~CocoPPa、SmartNews、tixeeが登壇~

7/30(火)にKLab株式会社大会議室にて、「グローバルで通用するユーザー体験のつくり方 ~CocoPPa、SmartNews、tixeeが登壇~」を開催しましたので、レポートさせていただきます★

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ユーザーがプロダクトに求める価値は、「情報」はもちろん、「体験」への価値も高まっています。
優れた「体験」の提供は、言語の壁を乗り越えることができる可能性を秘めているのではないでしょうか。
今回のイベントでは、特徴的なUI/UXを持つ CocoPPa / SmartNews / tixeeを手掛けた方々をお呼びし、「グローバルで通用するユーザー体験の作り方」というテーマでお話いただきました!

第1部は、『登壇企業の方々によるプレゼンテーション』です。

★登壇企業★
 <パネラー>
 ユナイテッド株式会社(提供サービス:CocoPPa)取締役:手嶋氏
 株式会社ゴクロ(提供サービス:SmartNews)CEO:浜本氏
 LiveStyles株式会社 (提供サービス:tixee)CEO:松田氏
 <モデレータ>
 株式会社バスキュール(企業URL:こちら)プロデューサー:西本氏

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tixeeについてプレゼンテーションをするLiveStyles松田氏

第2部は、『パネルディスカッション』です!
主に以下なようなテーマでディスカッションを進めていきました。
  • 繰り返しユーザーに来てもらう「STICKINESS」体験を提供するためにデザインUI/UXおよび仕掛けで工夫している点は?
  • 参考にされたアプリは?
  • スマホ/タブレット(PC)以外のデバイスでの対応を既に準備している?
  • プロモーション施策で「これはヒットした!」という施策は?
  • ユーザーを惹きつけるアプリを作る際、心がけるべきことは?
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気になるディスカッションの内容は・・・
次回のブログ更新でたっぷりお届けする予定ですのでお楽しみにヾ(❀╹◡╹)ノ゙

最後は、ピザ&飲み物をご用意し懇親会です♪
皆様に良い出会いがあれば嬉しいです★

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ご登壇いただきました企業様、参加者の皆様、ありがとうございました!!
今後もこういったイベントを開催していく予定ですので、ご参加お待ちしております。

イベント情報や最新情報はfacebookページで配信中です
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