こんにちは。KLabVenturesの岡崎です。
先月9月9日(救急の日)、KLabVentures投資先、株式会社リアルブローブが主要メンバーとして参画する新プロジェクト「Project Hecatoncheir」(プロジェクト ヘカトンケイル:百腕巨人プロジェクト)の記者発表イベントに参加してきました。発表された画像と共に、今回はこのプロジェクトに関して簡単にご説明させて頂きます。
▲「Project Hecatoncheir」イメージロゴ
「Project Hecatoncheir」とは?
「Project Hecatoncheir」とは災害・救急用ドローンの開発プロジェクトのことです。
このHecatoncheir(ヘカトンケイル)とは、古代ギリシャ神話に登場する「百腕の巨人」に由来しています。プロジェクト名を100本の腕に50の頭を持つ巨人に例えることで、クラウドにつながるたくさんの救命のための「腕」に例え、より多くの人命を救いたいという思いが込められているそうです。
プロジェクト内容は、具体的にはドローンによる医療物資の搬送です。
次世代インフラ(ドローン)による医療物資搬送(AEDなど)により、119通報から救急隊員が到着するまでの間に通報者の元へ医療物資を搬送します。通常、心肺停止による通報から救急隊員の到着まで平均8分半かかり、救急隊員が到着する頃には蘇生できる確率が大幅に下がっています。つまり、119通報→救急隊員が到着するまでの「時間の短縮」を当プロジェクトによって実現し、より多くの生命を救命することを可能とするのです。
医療用ドローンにはAED等の医療物資だけではなく、小型カメラも搭載されているのでいち早く通報者・患者の元にドローンが辿り着き、救急隊員により先に「現場の状況把握」「居合わせた人への応急処置の指示」を指令室の医師らにより行うことが可能になります。(現時点は電話のみでの指示)
▲実証実験に使用しているドローン
更に、医療用ドローンが稼働するのは通報があった時のみではありません。
例えば、災害や事故などで周りに誰もいない状況で事故に遭遇したり、心肺停止状態に陥った際、システムが連携したウェアラブル端末やスマートフォン等から、バイタルサイン等を自動検出し・GPS情報と合わせて119番の自動通報が行われます。この緯度経度情報をもとにドローンが現場付近に直行するシステムを開発していく予定です。
図の通り、ヘカトンケイルのシステム全体はWoTモデルを採用し、①コンポジションレイヤー②シェアリングレイヤー③ファインダビリティレイヤー④アクセシビリティレイヤーの4段階で構成されています。コンポジションレイヤーとはドローンの「頭脳」に値する箇所で、基本的に他業種との積極的な協業も視野に実現していきます。コンポジションレイヤー以外の段階では株式会社リアルグローブが開発・公開するEDOやmono/monohubなどのオープンソースやクラウドサービス、ヘカトンケイルで独自開発に挑戦する国産フライトコントローラーを活用していきます。
今後ヘカトンケイルは以下のように様々な業種との連携を行うことでプロジェクトを展開していく予定です。
最後に、当プロジェクトは技術・医療・行政に渡る6名のスペシャリストの方々によって運営されております。
▲左から株式会社リアルグローブ大畑さん、行政アドバイザー円城寺さん、広報・ドローン導入アドバイザー稲田さん、プロジェクトリーダー・救急救命士 小澤さん、機体開発・研究 岡田さん、生体医療用工学アドバイザー 沼田さん
次世代のドクターヘリと言われる医療用ドローンの発展を乞うご期待です!
【Project Hecatoncheir】
Project Hecatoncheir公式サイト:http://www.hecatoncheir.com/
Facebook:https://www.facebook.com/project.hecatoncheir?fref=ts
【株式会社リアルグローブ】
ホームページ:http://realglobe.jp/index.php
Facebook: https://www.facebook.com/realglobe?fref=ts
代表者:大畑 貴弘