KLab Ventures代表ブログ『鴻鵠之志』より転載)

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ちょっと古いですがKLabの真田が6月4日の早稲田大学のオープン科目である大川ドリーム基金寄付講演に登壇しました。

その時の講演内容が、普段真田と接することの多い私でも学びが多かったので、講演での主な話題をサマってみようと思います。

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下記にある項目は、学生からの質問に対して真田が答えたものをまとめてみたものです。

●売上の引力は会社を変える

売上が大きくなれば会社の体質自体が大きく変わらなければならない。
人員拡大、オフィス拡張、ステークホルダーの増加、設備投資 etc 挙げればキリがないが様々な変化が起こる。
これを”売上の引力”と言っているが、計画性なくその引力に引っ張られてしまうと固定費の増大など経営的課題を引き起こすので、そのマネイジメントは極めて重要。

●垂直統合と水平統合の覇権争い

ネットビジネスの覇権争いの歴史は、垂直統合の覇者と水平統合の覇者の争いとも言える。
典型的な例は、OSの世界で水平統合型の覇者だったMicrosoftに対抗できたのは、Jobsが復帰した後に徹底的な垂直統合モデルで製品展開したAppleだった。そしてスマートフォンOSの世界でそのAppleを席巻しているのが水平統合の覇者であるGoogleである。
このトレンドを理解することは、次のビジネストレンドを予想するのに必須。

●モバイルトレンドの3年周期

モバイルインターネットの世界では、ほぼ3年周期程度で大きなトレンドが起こっている。
ビジネスをする上では、大きな波にうまく乗るというのが非常に重要なので、この周期のトレンドを読む力が重要。

●未来を予測する唯一の方法は過去を学ぶこと

天才的な発想で未来を予見したり、ヒットを飛ばしたりすることはほぼない。
歴史は繰り返すので、過去の事例を研究しその成功や失敗の原因分析をすることが未来を予測する唯一の方法。

●サービスのピークアウトと投資戦略のバランス

どんなサービスも市場も、ピークがあれば徐々にシュリンクしていく。そのピークアウトの時期を見極めることが経営する上では極めて重要であり、ピークになるまでの積極投資とピークアウトした後の投資抑制のバランスを誤ると、会社を危機に至らしめる。

●サービス依存のリスクとピークホッピング戦略

どんなサービスも市場もピークアウトするのであれば、それに固執しないで次のピークがきそうなサービス展開や市場への参入などピークホッピングする必要。

●未来を予測することと経験の関連性

その経営者がどういう経験をしたかは、未来を予測する上で楽観的に予測するか悲観的に予測するかの一つのファクターとなる。
過去に痛い失敗を経験している経営者ほど、そのバランスがとれていることが多い。

●IT技術の投資とは差別化より標準化戦略の模索

製造業の世界における投資と、商品差別化とIT技術における投資・差別化は若干ニュアンスが違う。
製造業では、他社が真似できない商品の開発というのが重要になってくるが、IT技術への投資では、どれだけ標準化される商品や技術の展開ができるかが重要となる。

●ディープニッチ

新規サービスを考える上では、徹底的にユーザーのディープなニーズを掘り下げられるかが鍵。

●起業にビジネスプランが必要というのは錯覚

よく若い起業家が自分のオリジナルのビジネスプランを一生懸命考えているが、それは必ずしも必要なわけではない。
誰もがやっていないビジネスを展開できるというのは極めて難しい話なので、既存のビジネスを徹底的に研究して、それに独自エッセンスを加える程度でもビジネスはスタートできる。それ以上に日々のオペレーションや経営努力の方が重要である。

●寡占化戦略、ロケットスタートをする起業にはビジネスプランとVCが必要

基本的には、起業においてビジネスプランは必要ないが、その新市場を一気に寡占化する戦略や、スタートアップがロケットスタートするためには、ビジネスプランとそれに賛同するVCの存在が必要となる。

●アイデアの父は知識と経験

何もないところから天才的なアイデアが生まれることなんてまずない。豊富な知識と経験からアイデアは生まれるもの。

●学生ベンチャーは損切りし就職するという発想もあり

基本的に学生が起業するのは日本のためにも、その人の経験のためにもいいことである。
しかし、学生ベンチャーで成功するのは一握りなので、それに固執せずに一旦就職して経験を積んで再チャレンジする選択肢も持つべし。

●ビジネスにおける情報収集のあり方

ネットや雑誌で収集できる情報は表面的なもの。
深堀りした、一級品の情報に触れるには人を通じた情報収集が必須。

●過去の経験で学生時代の能力や知識と成功するかどうかは比例しない

過去に色々な学生起業家に会ってきたが、その時点での能力や知識が優れているのに失敗する人も、微妙だったのに成功した人もいた。
ただ、成功する上であえて重要なポイントを挙げるとすれば素直、向上心、根拠のない自信

以上となります!

上記は90分間の講義の中で特に示唆に富むエッセンスを抽出したものです。いかがでしたでしょうか?みなさんのビジネスの参考になる話が一つでもあれば幸いです^^

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