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ここ最近起業家から
「TV局の投資担当者を紹介してもらえますかね?」
「TV局からの出資を検討してます」
といった話を聞くことが増えました。
実際にフジテレビ、TBS、日テレとメディアがスタートアップ投資することは今年の一つのトレンドといえますし、起業家の注目は非常に高いです。
私自身仕事でお話したことは何度もありますが、TV局の投資担当者が何を考えているか?についてはやや情報が少ないのかなと思っていましたので、皆さんにお声がけして、先日「メディアVCカンファレンス」というイベントを開催しました。
※ドコモベンチャーズさんとKLab Venturesの共催イベント
https://tixee.tv/event/detail/eventId/3859
細かいディスカッション内容はコンフィデンシャルなところもあるのでここでは伏せますが、私の所感としては、メディア側と起業家側でややギャップがあるのかな?と思いました。
メディアの方は、
「新しいビジネスを作りたい」というのが最重要。
起業家の方は、
「メディアにプロモーション協力してもらいたい」というのが最重要。
と両者に微妙なズレがあるように感じました。
起業家がメディアから出資を実現するにはメディア側の考えていることを理解して、その上で自社のサービスがメディアにとってどんな価値があるのか?をプレゼンテーションする必要があります。
むしろメディアパワーを使ってプロモーションをガンガンしてくれることなどは期待しない方がいいのではないかと思います。

また、ディスカッションにおいてメディアの方々が話していたことは、
- 既存事業は未だに巨大である
- セカンドスクリーンの存在は重要であるものの現状売上としては既存に比べ微々たるもの
- それは且つ既存事業を侵食する存在でもある
という典型的なイノベーションのジレンマの状況なのかなと思います。
今回ご登壇頂いた方々はその状況を冷静に把握しながらも既存のビジネスを脅かす可能性のある新規のビジネスのプロデュースを自らコミットしたいという極めて難易度の高いチャレンジをしているようでしたのでぜひ頑張ってほしいです。

僭越ながら私の所感として、その難易度の高いチャレンジを成功に導くためには、社内政治を排すための仕組みが必要だなと思いました。
これらのメディアは巨大企業グループであり、様々な部署や個々の役員陣がそれぞれの思惑を持っていると想定されます。
その中で意見調整して投資決定していくには相当な労力を必要とするはずなので、ただでさえ難易度の高いミッションをより難しくする可能性があります。
そのため
「ある程度のジャッジを現場に任せ、社内調整なしで投資決定できること」
が重要かなと思いました。
完全に言うは易し行うは難しです。
まぁこれはどんな会社にも適用できることなのかもしれませんが。
今回のイベントはとても盛況で120名の申込はすぐに埋まってしまいました。
関心の高さを実感しましたが、一番話を聞いて欲しかったスタートアップ関連の人は参加者のうち30%ほどでした。
もっと参加してほしいと思いましたが、今回好評だったのでまたもし機会があれば第2回を開催してもいいかなと思っています。